愛知淑徳大学
うつりかわる水を感じて ―油ヶ淵水辺学習施設計画―
加古 ひとみ / メディアプロデュース学部 都市環境デザインコース
愛知県三河地方に位置する油ヶ淵。以前は、全国で最も汚いと言われるほど水質汚濁が進行していました。上流地域の生活排水が原因にも関わらず下水道接続に踏み込む住民は少なく、現在も水質基準には達していない。そこで周辺地域の子どもたちの環境学習となる開かれた場、施設内で行う水質浄化、周辺市民達の意識改革を軸とし水辺学習施設を設計した。訪れた人々に常に湖を感じてもらうことをコンセプトとし、水辺学習のため湖との繋がりをもったワークショップの場、水質浄化のための人工浮島、水質や環境の変化に気づけることのできる場を設けることで、油ヶ淵の現状を認識させる。周辺の地盤の高さは海抜0m程度しかなく、大量の雨が降った日の水位は平均時に比べて1.5mほどの差が出ることもある。この水位の変化を設計にも取り込むことで水の高さによって中心部の階段面積が変化し、高水位の時は座れなかった場所も、水までの距離が遠くなることで休憩スペースや交流のきっかけとなる場所が生まれる。現在のような油ヶ淵内のみでの水質浄化運動ではなく、上流地域の意識を改革させるような施設を設計することで水質汚濁の原因を解決し、さらには碧南市の地域の活性化に繋がることを目指し計画した。