愛知淑徳大学
百人百景にみるまちの魂のデザイン
亀渕 彩 / メディアプロデュース学部 都市環境デザインコース
2013年7月20日。名古屋栄、長者町エリアで行われたあいちトリエンナーレ主催の百人百景というイベント。参加者100人(実際は112人)が「写ルンです」(富士フィルム)を用いて名古屋の新名所を撮影しました。撮影された写真は、モノやマチをただ単に切り取っているように見えるけれど、実際それは人とまちの間に発生している「好き」「愛着」の感情の表現でもあります。「百人百景」というイベントは、市民によるわがまちへの愛着・愛好の表現活動なのです。参加者ひとりひとりが撮る行為を通して、「私の好きなまち」を発見し、発表と応答を通して、そのことの意味が認識されていき、まち好きの内容が深められていきます。「百人百景」は、市民がまちを好きになり、関心を持って、自らまちを育むことに身を乗り出していく流れを呼ぶ力を持っているように思います。112人による3024のそれぞれのマチの切り取りは市民主体のまちを育むムーブメントになる可能性を秘めているのではないでしょうか。参加者の楽しさ溢れる撮影と撮られた写真の意表をつく面白さに触れて強くそう感じました。その面白さやまちのパワーを伝えるためにこのフォトブックを作成しました。これからも多くのまちでこの「好き」という気持ちから、時の流れとともに人間・自然・空間・文化が育まれまちの内面的生命としてのまちの魂を生み出し育んでいってほしいと感じます。