東京造形大学
地域資源を活用したサステナブルツーリズムの研究
三宅 明子 / デザイン学科インダストリアルデザイン専攻領域
本研究は、「デザインの視点から社会的課題を解決する手法」について考察し、具体的に立案する事が目的である。
南太平洋に位置するミクロネシア連邦は、国家としての成立経緯など、歴史的且つ社会的背景により、経済・雇用・食生活などに様々な問題を抱えている。
今回の研究では、その課題解決の一案として近年増加傾向にある、社会的貢献意識の高い若者をターゲットとし、旅と農業( 地域産業) を掛け合わせた持続可能な観光システムの提案を行った。
具体的には、ミクロネシア連邦ポンペイ州にあるIFCP( ローカルフードを推進するNPO 団体) の所有する植物園での畑運営から、収穫したトロピカルフルーツを用いたオーガニックジャム生産、ジャムの現地販売及び日本でのプロモーション活動といった、新たなお土産資源の生産から流通・販売までの一連の流れを提案した。
また今後、上記の畑. 及びジャムを軸にした参加型のツアー( 農業体験や販売など) を行い、ツアー参加者が帰国後に当地産のジャムをプロモーションする側へ移るような場を創造し、一度きりの観光ではなく日本にいながらもミクロネシア連邦と関わりを持ち続けられる仕組みを総合的にデザインする。