人の記憶の中にある風景とは、残像のようなはっきりとしない形をしています。その景色が本当にそうであったか、それとも沢山の記憶が混ざり合い本当は見ていない景色が造られたのか、それすらも曖昧です。そういった感覚を木版と展示形式を組み合わせ表現しています。版によって紙に写しとられた景色はゆるぎなくそこに同じ形で存在し続け、その景色を分割し様々な記憶と組み合わせることによって記憶の中の景色が構築されています。