東北工業大学
竹の性質を生かした椅子の提案
椎川 直 / ライフデザイン学部 クリエイティブデザイン学科 プロダクトデザインコース
竹はこれまでも多くの椅子の材料として用いられてきたが、その最大の特徴である「しなり強さ」を充分に生かしたデザインは、意外に少ない。本研究はそのしなりに着目し、竹の可能性を引き出すデザイン提案を目的とする。
竹の弾力を生かすために、固定部を最小限にして座面と背もたれの反発力だけで体重を支える構造を考えた。負荷が集中するカーブ部を補強するために、座面下にコマを挟んだ形とした。背もたれは竹材を積層して強度を高め、段差が目立たないように滑らかな曲線でつないだ。また脚部に金属を使用し、強度を保ちながら目立たなくすることで本体部を際立たせている。製作では竹の曲げ方から模索した。最終的に、濡らしたキッチンペーパーとアルミホイルを竹に巻き、アイロンで熱を加えた後、冷めるまで丸一日型に固定するという方法に至った。竹は型からはずした後にある程度元の形に戻ろうとするので、戻り幅を考慮して作らなくてはならない。ねらい通りの形になるまで、数回型を作り直した。最終版は、背もたれと座面下2か所のカーブ部の計3種類の型を用い、一か所ずつ曲げ加工を行った。
材料:竹、鉄 サイズ:390X500X950/Sh430(mm)