大阪工業大学
視覚障害者の雨の日の外出をサポートするプロダクト
上野 志歩 / 空間デザイン学科 プロダクトデザイン研究室
視覚障害者が雨の日に外出を行う上で大きな障害となることが2つある。一つは「音の問題」だ。視覚障害者は目からの情報を得られない分、音の情報をとても頼りにしている。しかし雨の日には雑音が多く、必要な音が聞き取りにくくなってしまう。二つ目は「手元の問題」だ。雨の日には杖と傘を持たなければならないので両手がふさがってしまいとても不便である。これらの問題を解決するため視覚障害者の観察、調査や素材の実験などを行い、それぞれへの解決案を導いた。「音の問題」に対しては、傘の表面に多孔質な素材を用いて雨音の衝撃を吸収し、傘自体の構造を平らにすることで雑音の軽減に成功した。また「手元の問題」に対しては、肩掛け鞄のような形で体にしっかり密着させることで傘部分を体に固定させた。また、持ち運びの仕方についても考え、傘をさしていない時は体に付けている部分に傘をしまえるようにした。さらに色を選ぶ際には周囲との関係性を考えて、視認性が高くかつ周りに馴染む色として黄緑色を選択した。