大阪工業大学
消息する混沌
中原 大貴 / 空間デザイン学科 建築計画研究室
人間の欲望の集積よって混沌とした都市_難波。カオスによって断片的な情報が我々を覆い尽くす。人はその状況に魅了され、毒されている。どこまでも続くカオスによって媒介された事実ではなく、建築の物質的なリアリティによって発生した情動により貫かれた真実こそが、唯一の人間的な尺度や時間、情報を与えるのではないだろうか。難波のカオスな事実や存在に関して断片的に捉えていることを凝縮し、再構築する。都市を行き交う人々が忘れがちな身体性のある感覚を呼び覚ますような建築。
私自身が身体を持って感覚し収集した事象から空間性の抽出を行い言語化する。その言葉を重合させたり、事象のイメージの読み換えにより空間性を伴った図像を生成する。それを建築になる以前の空間性を備えたもの、空間図像として表出させ、建築を設計してゆく。事象、図像、建築を通し空間認識の新たな在り方を探る。