大阪工業大学
失われた街を求めて
高橋 隼奨 / 空間デザイン学科 建築計画研究室
その街をその街たらしめるものと出会うためのオブジェクトと建築の計画。
仮想世界では、都市から、建築の内奥、深淵に潜むオブジェクトに迫り、瞬時に、また、都市の外縁のほうへ、認識を及ばせ、ネットワークを伝うことで、アドレスの更に向こう側、今なお、無数の人が更新し続ける数多の情報にさえアクセスできる。
かつて、マルセル・プルーストが -失われた時を求めて- にて、一つの感覚から、生々しい記憶へと旅立ったように、スクリーンに表出する仮想世界のワンシーンも、現実の身体性に結びつき、すぐそこにあるかのように感じられる。
仮想世界はいま、現実世界を凌駕しようとしているのか。
さまざまなインターフェースを通じて身体に訴えかける仮想世界。
その背後にある、確固たる感覚に溢れた現実世界の中で、「ある匂い、ある日差し、ある味覚、ある触覚」を浮かばせられるだろうか。