大阪工業大学
春雨 光ファイバーを用いたディスプレイ
山平 武史 / 空間デザイン学科 デジタルデザイン研究室
幼いころに見ていた「空」と今見ている「空」は明らかに違って見えている。雲には確かに立体的な形があり、そこには触れられる何かが存在していた。成長するとは大切な想像力を欠いてしまうものなのだろうか。どうにか表現できないだろうか。この作品には空間体験を通して何かを感じ取ってもらいたいという思いが込められている。展示会に訪れた方は私とは違った感想を述べる。ある人は言った、これはあの時のキャンプで見た夜光虫のようだ。ある人は言った、これはあの時の海を思い出す。ある人は言った、これは星のようだ。しかし、その想いはすべて記憶というものでつながっていた。それは知っているようで知らないもの。
5000本の光ファイバーからなるこの装置はPCと連動しており、PC上に表示した映像などはすべて光の粒となり現れる。そこに体験者が中に入ることで静電気によって光に動きが与えられる。ここではPCを操作し光を与える人と、光の中で動きを与える人のインタラクティブな関係が生まれるのである。