大阪工業大学
さぎすぐるぐるびる けんちくとあそぶ
佐藤 明日香 / 空間デザイン学科 建築計画研究室
狭い土地に密集した高層ビル、マンション住まいに核家族化、都市部に住むこどもたちの周りからあそびばが制限されつつある。こどもが長い時間過ごす保育施設までも制限されてしまっては、こどものあそびばはどこにあるのだろうか。大阪市福島区鷺州に、狭い敷地でもこどもたちがのびのびすごせるビル型のこども園を提案する。
従来の保育施設は園舎と園庭、テラスなどの中間領域を重視した計画がおこなわれるが、今回はあえて外には園庭をつくらず、園庭の要素をつめこんだ遊具のような園舎をつくりだした。従来のビルは、フロアで区切られ、階段で移動という閉鎖的な空間である。これを、スロープで縦につなげることで、ワンフロアの広い空間を生み出す。坂道は大人にとっては邪魔なものかもしれないが、こどもにとってはそれ自体があそびばになる。そして遊んでいるうちにいつのまにか上へとあがっていくだろう。すべりだいやはしご、テラスや屋上園庭など、こどもたちのアクティビティが広がるような多様なポイントも配置した。