本研究の目的は、教育実習を行う学生に対し、教育実習の行為過程を具体的に表した記録ツールを開発し、その効果を明らかにすることである。教育実習の各場面（実習前・中・後）で必要とされる行為過程を1つのノートにまとめた教育実習の専用ノート「KIZINO」と、各行為ページの記入方法が記載されており、付属品として使用する「KIZINO使い方BOOK」を制作した。この「KIZINO」と「KIZINO使い方BOOK」を使用する利点を、「教育実習の円滑化」「ミスの防止」「実習の記録と振り返り」の3つと設定した。

教育実習をこれから向かえる学生5人に対し、「KIZINO」の有効性を調査した。その結果、「便利さ」「使いやすさ」「実習の円滑度」「使用希望」の各項目で利点が得られた。よって、ノートは場面ごとではあるが、「教育実習の円滑化」「ミスの防止」「実習の記録と振り返り」を充足できることを明らかにできた。