本は情報の記録や保存性に優れているが、立体的なものや動きがあるものの表現がしにくいという制約もある。そこで、本の形態を保ちつつ、立体的な表現をできる仕組みを考案し、立体物の表情をより感じることのできる新たなメディアの研究をした。

対象となるものとして、私たちの身近にある花を取り上げた。花は立体であり、様々な方向に表情があるため、提案する本のモチーフとして適していると判断した。本を開くと花などの植物が飛び出す仕組みを検討し、花と本の性質を組み合わせた『360°Flower books』の制作をした。回転軸が水平で180°と、垂直で360°に各々放射状に開く2種類を制作し、花の種類を増やすことができた。180°がオトメツバキ、スイレン、ダリア、フレンチ・マリーゴールドの4種類、360°がカーネーション、キク、セイヨウタンポポ、ヤグルマギクの4種類の計8種類の花の本を制作し、新たな立体表現ができるメディアの提案ができた。