拓殖大学
工学部 デザイン学科/工学研究科 情報・デザイン工学専攻 第29回「卒業・修了展」
子どもの歩行リハビリにおける応援ロボットのデザイン提案
- 原 絵里子
- 工学部 デザイン学科 プロダクトデザイン研究室
リハビリテーションの主な目的は、患者の社会復帰とQOL(生活の質)の維持や向上である。これらの実現には、身体機能と心理状態のケアが必要となる。近年、介護ロボットとしてリハビリロボットが提案されている。一方、その多くは、励ましなど患者の心理的支援をする機能が見受けられない。そこで、子どもの歩行リハビリの現場を想定し、心理的な支援として〈寄り添い感〉や〈応援してくれている感じ〉が提供できるロボットを提案した。
研究手順は、まず、患者の行動に応じるロボットの役割と動作を調査し定義した。これを踏まえ、ロボットの基本動作として上下運動、水平移動、回転の3種類を重視することとした。応援してくれている様子は頭部を上下に動かすことで表現し、寄り添う感じが与えられるよう患者と共にリハビリコースを移動することとした。形状は、胴体部に安心感が与えられるよう丸みをもたせ、患者の集中を妨げぬよう目や顔をなくし、オムニホイールによる方向の違和感を解消するために、前後左右の区別がない三角形の頭部とした。