卒展レポート

拓殖大学

工学部 デザイン学科/工学研究科 情報・デザイン工学専攻 第29回「卒業・修了展」

  • 潜在的な感性を刺戟する抽象絵画の制作
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潜在的な感性を刺戟する抽象絵画の制作

伊藤 拓哉
工学部 デザイン学科 造形計画研究室

造形表現は、突き詰めると純粋で自己完結的なかたちとなる。すなわち、再現的な形象がもつ意味を排除し、色と形など造形要素間の純粋な関係にたどり着く。本制作では、絵画に注目し、純粋表現の一つと言えるアメリカ抽象表現主義などを参照し、絵画芸術の特有な要素である平面性の強調と、アクション・ペインティングにみられる偶然性に着目した。そして、身体性や行為性を顕在化させる即興的な動勢を用いた絵画制作を目的とした。

制作の過程では、直感を頼りに、過去の意識や経験といった潜在意識を誘発させながら制作を進めた。また、筆致が生成する動勢、色彩の重層、偶然性が、鑑賞者の潜在的感性を引き出すことを制作の指針とした。制作には、綿布を支持体とし、アクリル絵の具を用いた。また、筆に加え、塗装用のスキージやゴムヘラを使用し、偶発的な形を導いた。そして、描画の中で偶発的に生まれる筆致の面白さを探し、色が意図せず重なる状態を設定した。

作品一覧