卒展レポート

拓殖大学

拓殖大学 卒業・修了展 工学部デザイン学科/大学院工学研究科情報・デサイン工学専攻

  • 火がつくる生活を楽しむ火鉢の制作
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火がつくる生活を楽しむ火鉢の制作

加藤 淳史
工学部デザイン学科視覚造形研究室

現代の生活空間から失われた「火を楽しむ暮らし」の復活を目的に、その容れ物の制作提案をおこなった。人類が火を手に入れてからの長い間、人々は生活の中心に置かれ火を囲み、家族、親族、集団を形成、「明かり」、「暖」、「安心」、「調理」を楽しんできた。そこで、昔ながらの火を使うための道具である火鉢をデザインの対象にし、炭火を袋状の耐熱布に入れ、室内では桐製の箱に入れ角火鉢として、屋外には「火袋」のまま持ち運ぶことのできる道具を制作した。「火袋」は溶接現場でも使われるスパッタシート(カーボンクロス、耐火・不燃)で製作した。袋には火を楽しむ道具である五徳、火箸、金あみなども入れて持ち運び、使用後はしっかり口を閉じて持ち帰る事ができる。火鉢の素材は桐を使用した。桐は軽く高熱に対して表面だけ炭化し、内部まで火が届かないない材料である。火鉢は、桐板の一部をバーナーで焦がし、木目が浮き出て見えるツートンカラーで仕上げた。火を生活に取り入れる事で近い距離でのコミュニケーションが人のつながりを生み出すと考える。

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