書店やインターネットにある既存の表情の参考資料を見てみると、これらの資料は果たして絵を描くことに慣れていない人にとっての入り口となりうるのかと疑問に感じた。なぜなら、既存の参考資料は見本としてプロが描いたイラストや写真が設定されていることが多く、絵を描くことに慣れていない人は表情以外の髪や色というような表情以外の情報が作業をしにくくさせてしまうのではないかと考える。そこで、表情の見本として顔文字を使うのはどうかと考えた。顔文字は、非常に簡単に顔を表現できるツールである。実際に顔文字をもとに顔のイラストを描くと目の角度や口の形が非常にシンプルで分かりやすく感じた。最終的には私が、顔文字をもとにして描いた表情のイラストを一覧にしたものを教本として制作した。制作した教本を実際に使用し絵を描いてもらった結果、表情の土台となる眉の距離や目の開き方での老若男女の区別に関心を持ってもらえた様子であった。