近年、インターネットを通じた双方向のコミュニケーションツールであるSNSにおいて、自身の投稿に対して批判的なコメントが殺到する、いわゆる炎上と呼ばれる現象が注目されている。特に炎上そのものだけでなく、炎上が世間に認知されたことでユーザーが批判に対して警戒し、批判されないことを最優先するようになったことから、結果として情報発信の萎縮が起きている問題がある。

そこで、返信に制限をかけた新しいしくみを持ってこの課題を解決することが本研究の目的である。具体的には他人の投稿に対して返信する際に投稿内容のワードを一つ選択し、そのワードに対してコメントする。このように特定のトピックを設けることによって、そのトピックに沿った理路整然としたコミュニケーションを促す。また、人物ではなく発言内容に対して意見することを強く意識させることで、仮に否定された際の心的負担を軽減することができる。そして、投稿者は自分の投稿のどこが注目されていて、それは肯定的なのか否定的なのかが明確になる。