食育基本法が制定されて以来、食育への関心が高まった。また、最近では色育といった色が持つ力を用いて、子どもたちの集中力や想像力等を養うプログラムが推進されている。本研究では食育に色育を活用する方法を見出し、食材や料理の色を知ることで食べることが楽しくなる５つの食育絵本を提案した。１つ目は色相に着目した絵本で、色相に食材の色を当てはめ食材が持つ色を知ることができる。２つ目は色名に着目した絵本である。食材が由来の慣用色名や伝統色名を取り上げている。３つ目は配色に着目した絵本である。ドーナツを題材とし、調理過程の色の変化を取り上げた。また、ドーナツに自分で色をつけることで、色を加えていく楽しさを体験できるものである。４つ目は混色に着目した絵本である。色のついたシートを絵本に差し込み、食材に色を付けていく。シート１枚で表現できない色は２枚のシートで混色する。５つ目は色の意味に着目した絵本で、日本の行事食を取り上げ、使われている色の意味や行事食の意味などを知ることができる。