卒展レポート

拓殖大学

拓殖大学 卒業・修了展 工学部デザイン学科/大学院工学研究科情報・デサイン工学専攻

  • 身体の潜在的リズムが生み出す絵画制作
  • 身体の潜在的リズムが生み出す絵画制作
  • 身体の潜在的リズムが生み出す絵画制作

身体の潜在的リズムが生み出す絵画制作

村上 文香
工学部デザイン学科造形計画研究室

オートマティズムとは「自動記述」、「自動表現」と訳され、1920年代のシュールレアリストたちが用いた手法で、理性によるコントロールを取り除き無意識的なイメージを記述することを目指したものである。

本研究は、このオートマティズムが美術史の中でどのように継承されたかを調査し、筆致を無自覚的な身体の発現と位置づけ絵画制作を行う事を目的とした。制作方法は、綿布を支持体としてアクリル絵の具を直観的に塗布した。さらにそこから誘発されるイメージを基に、筆致による色彩の重層化を繰り返し試みた。

制作を通じて、オートマティズムが提示する「無意識の表現」とは、自己の中にある無意識の中の意識である事を自覚した。意識下、無意識下で描いた絵画も「自己」であり、筆致による色彩の重なりや動勢がキャンバスという矩形の中で錯綜し、様々な感覚が身体の深いところで一体化されつつあるように思える。描かれた絵画に生命観が宿るのは、色彩や形態に言葉には表すことのできない自己の潜在的な意識を投影しているからだと考える。

作品一覧