愛知淑徳大学
工場萌え銭湯
内藤真理子 / メディアプロデュース学部 都市環境デザインコース
近年、「工場萌え」という言葉が浸透してきている。「工場萌え」とはコンビナートや工場の夜間照明、煙突、配管、タンク群の「構造美」を愛でることであり、私も工場風景が好きである。
そこで、対象敷地は三重県四日市市塩浜町にある昭和四日市石油株式会社にした。この敷地には一番の特徴と言っていい、電球のような形のタンクがある。このタンクに魅力を感じ対象敷地に選んだ。敷地周辺は四日市喘息の被害が大きかった地区であり、昭和四日市石油は公害の原因として控訴された工場のひとつである。
これらのことから工場萌えの人々がゆっくりと工場を鑑賞できる場所とその工場が過去にどのような過ちを犯し改善していったかを知り、話し合うきっかけになる場所を作りたいと思い、スーパー銭湯を提案する。
なぜスーパー銭湯かというと、理由は2つある。1つ目はスーパー銭湯の特性である。スーパー銭湯は一日をゆっくりと過ごすことができる場所であり、じっくりと工場を楽しむのに適していると考えた。また、銭湯では様々な人たちが集まり、こどもに社会のマナーを教える場でもあった。四日市喘息を経験したひとや親から聞いた話をこどもたちに伝えてほしい。2つ目に工場で出る廃熱を利用してお湯を沸かすことで省エネルギーになるということである。
工場の見所を回りながら4つのお風呂に入ることができ、お風呂には工場の説明と環境保護のためにどのような工夫がされているかを知ることができる。廊下には四日市喘息の資料が展示されている。