愛知淑徳大学
おにわのえほんかん
上野友子 / メディアプロデュース学部 都市環境デザインコース
祖父母の住宅がある三重県四日市市大矢知町は、大きく4つの地域に分かれている。子育て世代とその子供が多くお年寄りが少ない地域や、逆にお年寄りが多く若者が少ない地域などがあり、同じ町内にもかかわらず地区ごとに年齢層に大きな差がある。この4つの地域は街道や線路で区切られており関わることがあまりない。また、宅地開発などにより、年齢層の差はしばらく続いていき多世代が1つの地域にバランスよく共存する可能性は低いと考える。
4つの地域のほぼ中心に位置する住宅を対象敷地としバラバラに生活している地域の交流の場とする。年齢層に差がある4つの地域の人を集めることで、同時にいろいろな世代の交流にもなる。元々、大矢知では家主がいなくても近所の家に上がって寛いでいるという風景がよく見られる。
交流の手段として祖父母が持っている絵本約1000冊を使い、絵本館を設計する。
絵本館では、絵本をきっかけに地域の人が交流することを目的とする。
近所のこどもたちが遊びにきて絵本を手にとり、手に取った絵本を持っておにわにでて読む。
おにわではこどもがおいかけっこをしていて、いつの間にか絵本を戻して皆とまざって一緒に遊んでいる。
おばあちゃん、おじいちゃんは晴れた日は日向ぼっこをしながらその光景を見守り、雨の日には室内で井戸端会議をする。
時折、休憩しにくるこどもの恋の相談を受けたり、大矢知の歴史を語ったりする。
そんな空間をつくりたい。