愛知淑徳大学
もりの託児園
太田成美 / メディアプロデュース学部 都市環境デザインコース
子育て支援や制度が改正される中、実際の子育て環境は変化が見られない。例えば、勤務形態が多様であるのに対して、保育施設のほとんどは預かり時間が同じである。延長保育等もあるが、24時間対応や日曜祝日も預かり可能な施設は少ない。また、時間に融通がきく、駅が近い等の利便性の高い施設は、自然の少ない閉鎖的な保育施設が多い。そこで、子供に必要な自然環境と、親に必要な休まる環境の提供や利便性の高い環境が整う施設を提案する。
子供に必要な環境とは「自然の中での生活」「大人の干渉がない中でのびのびと過ごすこと」である。近年、危ないという理由で遊具の撤去を行い、公園で走るこさえ危険だと注意する大人もいる。しかしそれが、子ども自身で危険を知り成長することの妨げとなっている。一方で、親に必要な環境とは、「交通の便が良く利便性の高い場所」「ちょっとした休む時間」である。両者に必要な環境を両立させるために、自然が多く、その上駅からも近い立地を選択し、柔軟な受け入れ体制をもつ施設とする。
対象敷地は、名古屋市千種区星ヶ丘。600haの広大な敷地をもつ東山動植物園に接し、反対側には星ヶ丘テラス等の買い物施設が立ち並ぶ場所である。街と自然を敷地内に引き込み織り交ぜる。
【計画概要】
・子どもと親の環境の比率を同等とする
・子どもの居場所は、屋内空間を最小限として屋外空間を豊かにする
・カフェやワーキングスペースを敷地内に引き込み親の居場所をつくる(両者の居場所を近くする)