目で覚えたものは匂いと感覚で記憶している。
どんなに食がグローバル化しても1日に1度はご飯と味噌汁、醤油味が恋しくなるように私たちの味覚とカラダは日本人が昔から食べ続けてきた食事でできています。食のルーツを見据えることは大切。そこで、金沢に古くから育まれてきた伝統という視点から食を見直し、味覚だけではなく五感をフルに使い加賀料理と空間における可能性を探っていく。そして、伝統という言葉に生まれ変わる以前の、金沢を伝える場所でありたいと思う。
本計画では5つの部屋から空間が成り立ち、それぞれ視覚、味覚、聴覚、嗅覚、触覚の五感の要素から構成され、全身で食を感じ、料理を味わう場です。このことが忙しい現代の日本人がゆっくりと食を楽しみ、新たな発見を生む場となり食と空間の可能性を引き出す場所となることでしょう。
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