本研究はAR(Augmented Reality / 拡張現実)技術を利用し、現実の町並みにおいて仮想空間を提案したものである。
AR技術を利用することで3DCGで作られたモデルを、現実空間にリアルタイムで重ね合わせ、浮遊や動的表現など、現実では物理的に困難だった様々な表現が可能となる。これまでの作品例としては、表示の不安定さから卓上で3Dキャラクターが動く形態のものが多く、空間全体を使った表現を行った例が少なかった為、その表現の可能性を追求した。
この提案は、情報発信の意味を持つことと、その場所において体験することが重要だと考えている。その為、提案の場所を、石川県金沢市の中心商店街の一つである竪町通りに設定した。2010年8月から10月にかけて竪町商店街振興組合の協力の下、竪町通りで実験を行った。実際の空間で実験を行ったことで、ARが現実の空間においても空間演出に利用出来るという確信を持つに至り、今後の展開も期待出来ると考えている。
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