卒展レポート

拓殖大学

工学部 デザイン学科卒業研究および工学研究科 情報・デザイン工学専攻修士研究の事例紹介

  • 家具転倒時の身体的衝撃を軽減する針葉樹混合積層材の開発
  • 家具転倒時の身体的衝撃を軽減する針葉樹混合積層材の開発
  • 家具転倒時の身体的衝撃を軽減する針葉樹混合積層材の開発
  • 家具転倒時の身体的衝撃を軽減する針葉樹混合積層材の開発

家具転倒時の身体的衝撃を軽減する針葉樹混合積層材の開発

大久保恭利
大学院 情報・デザイン工学専攻 用品設計研究室

木質材料や無垢材といった重量のある材料でつくられた木製収納家具は、震災時の転倒が怪我につながる危険がある。本研究では、家具転倒時に人に与える衝撃軽減方法を見出すことを目的とし、家具材料の軽量化が衝撃を軽減すると仮定した。

比重の小さな針葉樹単板を積層した材料を数種類作製し、曲げ・圧縮・せん断・接合の各強度および比重の測定を行った結果、スギとスプルースを混合した積層材が強度を保有し、軽量であることが明らかとなった。さらに、スギ・スプルース混合積層材および市販のラワン合板を用いたシェルフ型収納家具を作製し、転倒時に人体が受ける衝撃の程度を測定・比較した結果、スギ・スプルース混合積層材はラワン合板の衝撃を約50%軽減することが確認できた。スギ・スプルース混合積層材によるシェルフ型収納家具は3.95kg、ラワン合板では5.55kgであったことから、家具材料の軽量化が転倒時の衝撃軽減に繋がる仮説を裏付けたと言える。

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