本研究では、古紙の新規用途開発を目的として、段ボールのフルート（波型の紙）を活かした曲面形状のマイブースを制作した。

段ボール素地は比較的安価に見えてしまうという課題に対して、片面段ボールを用いることでフルートの縦ラインが連続する新しいテクスチャーを活かすことができ、曲面の構成が可能となった。一方、片面段ボールの主な用途は緩衝材であり、通常のダンボールに比べて強度が低い。ブースとして自立できるように、下半分は同じ片面段ボールを張り合わせて補強した。収納時は端から巻いていき、縦にライナー（平らな紙）が貼られている部分と円柱部分のマグネットを合わせることで容易に収納できるようにした。使用時は円柱部分のマグネット同士を合わせることで閉じた空間となる。また、好きな写真などを貼ることでオリジナルの空間にすることも可能である。使用後はライナーシールを剥がすことでマグネットが取り除け、リサイクル性にも配慮した。