卒展レポート

拓殖大学

工学部 デザイン学科卒業研究および工学研究科 情報・デザイン工学専攻修士研究の事例紹介

  • 麦わらと稲わらを用いた壁面ユニット「wara・kasuri」
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  • 麦わらと稲わらを用いた壁面ユニット「wara・kasuri」
  • 麦わらと稲わらを用いた壁面ユニット「wara・kasuri」

麦わらと稲わらを用いた壁面ユニット「wara・kasuri」

豊田菜々子
工学部 デザイン学科 室内設計研究室

近年、脱プラスチックの活動が注目され、今後は壁装材についても自然素材への転換が求められると考える。本研究では、壁装材としての麦わら・稲わらの活用の可能性を見出すことを目的とし、ベースパネルと着脱可能な装飾パーツで構成する壁面ユニット「wara・kasuri」を提案した。

材料には3種類の麦わら(紫大麦、ライムギ、小麦)と天然染料で染色した稲わらを使用している。ベースパネルは天然染料(茜・藍・柿渋)で染色した絹糸と麦わらを平織、綾織などを組み合わせて構成した。織り方によって染色した糸の見え方が異なり、絣織りのような柔らかい表情を構成し、部分的に縄に綯った稲わらを織込むことで変化を与えている。また、ユニットの組み替えや装飾パーツの移動・着脱によって、季節や行事に合わせたしつらいが可能である。壁装材としての活用方法の一提案として、材料の特性を活かし、室内環境を整え、視覚的にも楽しむことができる壁面ユニットとなったと考える。

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