拓殖大学
工学部 デザイン学科卒業研究および工学研究科 情報・デザイン工学専攻修士研究の事例紹介
家蚕副産物キビソ・ケバによる材料開発と生活用品への応用
- 樋上雄貴
- 工学部 デザイン学科 用品設計研究室
我が国の国産繭生産量が近年減少していることから、絹を生活の中に気軽に取り入れる方法を見出し、生活用品へ応用した。
家蚕副産物にはキビソ・ケバがあるが、いずれも使わずに廃棄されている状況が見られることから、本研究では、キビソ・ケバを用いた材料を開発し、生活用品を制作することとした。キビソは細かく裁断、ケバは塵取りをした後、精錬・叩解・糊づけ・乾燥の手順で不織布に加工した。以上の方法で作製した不織布を用い、ファブリックパネルと間仕切りスクリーンを制作した。ファブリックパネルは、キビソによる不織布を用い、繭の丸みを帯びた形や繭色(白・黄・橙・緑)をイメージしてデザインした。間仕切りスクリーンは、キビソおよびケバによる不織布を用い、繭の中の蚕や虫食いの桑の葉をモチーフとした。家繭副産物を不織布に加工する方法を見出したことで、廃棄材の有効活用と生活用品への応用が可能となったと考える。