拓殖大学
工学部 デザイン学科卒業研究および工学研究科 情報・デザイン工学専攻修士研究の事例紹介
階段用手すりの開発における握るやすさの評価に関する研究
- 島田佳明
- 工学部 デザイン学科 ユーザエクスペリエンスデザイン研究室
手すりは設置の容易さから様々な場所で利用されている。手すりの使用環境の多様化に伴い多くの研究がおこなわれているが、いずれも官能評価を用いたものが多い。本研究では、握りやすい階段用手すりの形状分析を目的に、3Dプリンタで制作した5種類の手すりを使用した階段上り実験を実施した。なお被験者は7名に協力いただき、評価手法には官能評価(従来評価)と、直感的な重みづけ評価ソフト(rami)を用いた。
実験の結果、いずれの評価手法においても楕円形状、八角形の形状の評価が高いことが明らかとなった。これらの形状では、手すりを把持した際に指の関節や掌との接触面積が大きくなったことが、握りやすさにつながったと考えられる。また従来評価とramiを用いた場合、握りやすさをどれだけ精細に評価できたか点数(10点)で評価してもらった。その結果、各評価手法では統計的に差はないことから、ramiは従来評価と同等の評価がおこなえることが明らかとなった。