拓殖大学
工学部 デザイン学科卒業研究および工学研究科 情報・デザイン工学専攻修士研究の事例紹介
不安感を可視化するツール
- 梅澤貴博
- 工学部 デザイン学科 感性インタラクション研究室
本研究は、「不安感」を評価するために必要なデザインの構成要素を明らかにすることを目的としてツールを開発した。
人間の感情は数多く存在するが、幼い子どもにとって表現が難しい感情は「困る」、「悲しい」、「寂しい」と言われているため、この3つの感情を総じて「不安感」と定義し、不安感を評価するツールを開発した。ツールは、心を想起させる球形とし、同じ形状・大きさのものを5つ制作し、硬度のみを変えた。材料は、液体ゴムのウレタン樹脂を使用し、主剤と硬化剤をコントロールし、人肌程度の柔らかさから消しゴム程度の硬さの違いによって、不安な気持ちを直感的に表すことができるように設計した。不安感の順位付けの実験から不安感を柔らかさに置き換えて評価することができることは分かったが、興味ある結果として「最も不安感」を一番硬いか一番柔らかいが半数に割れたことから、評価軸の+-は設定しないで使用することが条件になることが示唆された。