近年、集中豪雨が都市部で頻発しており、道路のアンダーパスは想定以上に早期に冠水してしまう例が頻発している。冠水したアンダーパスに車が進入したら、重大な事故をもたらす可能性がある。そこで本研究は、アンダーパス冠水時の事故を防止するため、交通規制作業を迅速かつ効率的に実施できる、「即応性」の高い交通規制設備のデザイン要件を抽出し、デザイン提案を行うことを目的とした。

研究の成果として、道路フェンスで格納できる交通遮断機と車止めのデザイン案を提案した。最後に、道路管理者を対象としたインタビュー調査でデザイン提案の定性的な評価をしてもらい、「保管場所の必要がない」や「設備の搬入の必要がなく、交通規制作業の効率を向上できる」などの評価を得た。また、「いたずら、盗難の防止対策を考える必要がある」、「自動・遠隔操作交通遮断機は衝突防止対策を考慮すべき」などの改良の方向を提示できる意見もあった。