拓殖大学
工学部 デザイン学科卒業研究および工学研究科 情報・デザイン工学専攻修士研究の事例紹介
ウルシの木の製品開発
- 三ツ木敦哉
- 工学部 デザイン学科 シビックデザイン研究室
FEEL J株式会社との共同研究「ウルシの木の活用プロジェクト」の一環として、製品開発を行なった。
ウルシの木は木材としては径が小さく、漆に含まれるウルシオールによりかぶれが懸念されている。一方、黄色い材色で抗菌作用があるという特徴がある。ウルシの木の実物調査により、伐採後1、2年程度の乾燥により、ウルシオールは揮発してかぶれなくなること、樹皮にある漆掻きの溝が特徴的で味わいのあることが分かった。そこで、これらの特徴を活かした、スマホスタンドとつり革を制作した。
スマホスタンドは、丸太から削り出した造形とし、漆掻きの溝のある樹皮を残すことで、ウルシの木への興味を引きやすくした。つり革は、カバー部にはウルシの木の紹介文を載せ、色や硬さ、形状にも興味をもってもらえるようにデザインした。関係者との意見交換では、デザインの方向性が高く評価された。今後は、製品化に向けて樹皮の固定や製作方法を検討する必要がある。