拓殖大学
工学部 デザイン学科卒業研究および工学研究科 情報・デザイン工学専攻修士研究の事例紹介
工業用シート材と特殊紙によるランプシェードの制作
- 金井亮太
- 工学部 デザイン学科 室内設計研究室
工業用シート材料であるバルカナイズドファイバーとタイベックシートを基材として、蓄光和紙と水溶紙という特殊紙を組み合わせて2種のランプシェードを制作した。
藍染めを施したバルカナイズドファイバーには青森県津軽地方に伝わる刺し子技法であるこぎん刺しの花のモチーフが切り抜かれている。内部には白の蓄光和紙を施し染色部分とのコントラストを出し、消灯後には蓄光による発光が現れる仕組みで、角100mmと角200mmのユニットによる構成である。タイベックシートにはピンタック加工を施し、水溶紙による装飾を施している。花の写真を印刷した水溶紙を一度溶解した後、再度シート状に乾燥して切り抜いたパーツを用いている。光源を入れることでタイベック自体のやわらかな透過光とピンタック加工による陰影、水溶紙による複雑な色と重なりによる表情が現れる。いずれも材料の特性を活かし、「花」をテーマとした生活空間にやさしい彩りを与えるものとなっている。