日本は超高齢化社会となり、車椅子を使う高齢者が増えることが予測される。手動車椅子を屋外で使うと、健常者でも移動が大変で、坂道などは練習しないと危険である。また、高齢者は介助者を含め、自分以外の人に迷惑をかけることに心理的な抵抗を持つことが多い。シニアカーや電動車椅子は重量の問題があり、自動車で運びにくく、置くスペースが必要となるうえ、高価である。電動車椅子は種類が多く、個人での選択が困難であり、健常な高齢者にとって、介護保険法の適用外である。
そこで、実際に手動車椅子を長時間使い、問題点を抽出し解決案を考えた。
その結果、加齢により足腰が弱り始めた健常な高齢者を対象とした、手動車椅子を電動化する後付けの電動ユニットのデザインを行うことを研究の目的とした。
電動部と車椅子の車輪の接触部を独楽状の部品にすることで、どのようなサイズのタイヤにも対応でき、車椅子の肘置きを取り外し、この部分に動力ユニットを固定する。この方法で、手動車椅子を安価に電動化することが可能になった。