拓殖大学
拓殖大学 卒業・修了展
工学部デザイン学科/大学院工学研究科情報・デサイン学専攻
竹薄板合板を用いたスツールの制作
- 市村 拓也
- 工学部デザイン学科 用品設計研究室
現在、環境問題への意識が高まっているなか、貴重な木材を補う代替資源として期待される竹材は、有効的な活用法を考えていく必要があるが、竹薄板合板は、竹突き板を積層合板加工し、竹突き板の繊維方向に直交する力に対する強度不足の欠点を克服した素材として注目されている。本研究では、竹材の用途拡大として竹薄板合板をスツールの人体支持部に適用させ、2種類のスツール「SAN-GO」と「MAKI」を制作した。「SAN-GO」の座面および座面を支える部材には複数枚の竹薄板合板を間隔をあけながら配した。座面に用いた竹薄板合板の積層枚数は3枚であるが、座った際の荷重に対応するため、最上面のみ5枚とした。また、積層した各竹薄板合板間にコマを配し、着座時にかかる荷重を分散させる効果を狙った。「MAKI」の座面は、竹薄板合板を成形した座面部材を2体つくり、それを直交させて重ねることで、荷重がかかった際に座面部材どうしが干渉しあって強度と弾性が働くことを期待したデザインである。なお、両スツールの脚および脚貫には、竹集成材を用いている。