名古屋造形大学
詩集キャッツ 装丁とイメージイラスト
佐藤 里帆 / イラストレーションデザイン
私は昔から猫が大好きです。一匹一匹の表情や体の柄、性格も異なり、気分屋で自由気ままに歩く猫は、私にとって魅力的な動物です。そんな猫の魅力を凄く感じられる作品が、作者T・S・エリオットの「キャッツ」という詩集作品です。キャッツに出てくる猫はとても個性的で、まるで人間のように自分の考えをしっかりと持っている猫ばかりで、読んでいてとっても楽しく、何度か読むうちに、私はこの猫達を自分のタッチで表現してみたいと思い、卒業制作のテーマを詩集キャッツの装丁とイラストレーションに決めました。詩集の中に登場する個性的な猫の世界観を大切にイメージしながら制作しました。今回の作品で見ていただきたい所は、ペンで細かく描いている所と猫の表情です。私はペンでイラストレーションを描くのが好きで、装画は猫の毛並みや街並みなども全てペン画で描き、ペン画の線を目立たせる為に、着色しました。また、この物語に出てくる猫は詩ごとに性格もまったく違うので、少しずつ性格に似合った表情にしました。長老の猫は寝ているか起きているかわからないような表情にしてみたり、泥棒猫は何事も楽しんでいるような表情にしてみたりと、表情豊かな猫が繰り広げるキャッツの魅力を沢山の人に伝えられるような、そんな装丁を目指して、作品を制作しました。