東京工芸大学
counter
小山田 舞子 / 芸術学部 デザイン学科 ビジュアルコミュニケーションコース
アルファベットの文字にはフトコロ、英語で「カウンター」というものがあります。カウンターは文字の中にある完全にまたは部分的に囲まれた空白のことで、文字の一部を成しています。例えばa とbと cそれぞれカウンターのカタチが違うからこそ、同じ間隔で並べても、空いたり、くっついたりして見えます。タイトルやロゴはそこが重要となるため、1文字と1文字の間をくっつけたり離したり、目を細めて同じ間隔に見えるまで何時間も何日も格闘します。カウンターのカタチが違うからこそ、書体デザイナーは、aの横にb、aの横にc、とすべての組み合わせ、7000通り以上の細かい調整作業を行います。
そんな影で文字を支え、やっかいである存在「カウンター」をいっそうのこと主役にしてしまおう!ということで、「カウンター」をテーマとする作品を制作しました。カウンターから逆に文字をカタチづくっていく、地と図を逆転させる方法を用いながら7種類のタイプデザインを制作しました。私の作品を見て、触れることで、文字のまわりの白い余白が逆転して見える面白さに気づいていただけると嬉しいです。