東京工芸大学
Gift
竹中 里奈 / 芸術学部 写真学科
Giftという言葉は、障害をもって産まれた子供を例えて使われることがあります。
障害を悲しく思うのではなく、些細な幸せでも最高の幸せに感じたり、
少しの達成でもその子にとっては困難を乗り越えた達成であったり、
そう感じることができるのは天からの贈り物(障害)があったからだと
前向きな意味でGift。
障害をもつ弟に対し、欠けている所を補うように様々な行動をしてきた。
同時にその行動は、私を様々な出会いに導いてくれる。
そして、いつしか弟という存在を感じる瞬間に愛おしさを感じ、瞬間の儚さを知った。
その瞬間の愛おしさを物として手に感じたいと思い、インスタントフィルムで撮影した。
人が生きていく中で、一人で始まり一人で完結してしまう出来事は無いと私は思います。
一人で始まった出来事でも、それは誰かに何らかの影響を与えることもあり、始まったことで誰かと出会うこともあります。
今の私には出来事の始まりが身近な弟という存在でしたが、今後どんな人と出会い影響し合えるのか。
人とのきっかけを形にして残し続けたいと思います。