東京工芸大学
Japanese Modern Times
宮崎 翔 / デザイン学科ヒューマンプロダクトコース
茅とアクリル樹脂。和紙とカーボン繊維。
日本の伝統的な素材と現代の科学技術で生まれた素材とを組み合わせ、新しいビジュアルを生み出すことを目指した。伝統素材を用いた生産品は工芸品や文化財などと呼ばれ、古くさいもの、現代の生活とは離れたもの、というイメージが定着してしまっている。一方で、素材の持つ温かみや自然由来による資源効率などは、むしろ現代に求められる要素ではないだろうか。それらとは対照的な性格を持つ、科学や技術によって生まれた現代的な素材とを組み合わせることで伝統素材の魅力を引き出そうとした。
このような意図を持って制作にあたり、作品は茅の無数の断面が生む表情が、アクリルの透明性を生かして可視できる美しいアームチェアとなり、積層された和紙が細いカーボンの強度で支えられる、繊細な印象のテーブルとなった。各々の素材が持つ利点を引き出し合い、また弱点を補填し合あうことで新たなビジュアルと調和のとれたイメージをデザインした。