東京工芸大学
地図 “The Map”
清水 北斗 / 写真学科
特殊なクローズ・アップ撮影によって捉えられた“小さな自然”は現実にある被写体の大きさを、遥かに超えた拡大率でプリントされ、異様な存在感を放ちながら私達の前に表れる。
それはヒトの眼で決して見ることのできない“地球の拡大図”だが、その一方で、私は“地球の縮図”のようにも見えた。
岩の小さな段差をクローズアップした写真は、雄大な峡谷の断崖のようにも見え、小石を俯瞰で撮影した写真は、巨大な岩石が転がる荒地を、航空写真で捉えたかのようにも見えた。
ミクロの視点を超えた先にマクロ的な視点を見出した。ということは、ミクロとマクロの自然構造は相互にリンクされ、スケールの違いはありつつも根本的なストラクチャーは大きく変わらないという事を意味するのではないか。