この計画は、モノそれ自体の設計だけではなく、生と死と再生という、自然の循環に建築をも取り込んだ、プロセスの形成である。それは、住人が死んだ後に建築が何十年と残らず、住人がいなくなればすぐに風化していく建築である。しかし、それでも住民が快適に暮らすためのイエでなければならない。これらを満たすために必要な設計とは、住人が住みメンテナンスをしている限り簡単に崩れず、付近で手に入る天然素材を中心的に用いることでメンテナンスを用意にした設計である。ここでは、まずイエ形成の基礎となるコヤを制作することで、建築のシステムを作り出していく。このコヤをイエの原点とし、その後は、住みながら、居住者自らが生活に必要な要素(トイレ・フロ…)を足していき、イエへと進化していくのである。
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