近年、都市と地方とでの格差は広がりを続ける一方である。加えて、地方では高齢化が進むと共に過疎化が深刻化しており、徐々に元気をなくしていく。けれどもそこは、土地を去った者たちにとっていつまでも故郷であり、いつまでも特別な場所として記憶の中に存在し続ける。岐阜県のほぼ中心に位置する郡上市は長良川の上流にあり、市の面積のうち9割を森林が占める自然豊かな土地である。郡上市八幡町を横断する清流吉田川は、木曽川水系の一級河川で長良川の支流である。古くから人々の生活に密接に関係し、夏には子どもたちにとって最高の遊び場となる。
しかし現状としては、吉田川に対して背面を向けている建物が多い。本プログラムでは、12mの崖になっていた地形を緩やかな傾斜地にし、郡上八幡を象徴する3つの要素(歴史・自然・郡上踊り)からランドスケープを形成。
自然豊かなリバーサイドパークとして、心安らぐ空間に生まれ変わる。人々は、「郡上踊り」に誘われるようにこの空間へと足を踏み入れ、緩やかな動線によって川岸へと導かれる。空間を歩くことで、この土地のすべてを感じられる。さあ、踊りの和の中へ・・・
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