彦根中心市街地の銀座商店街及びその周辺の約3ha を敷地とする。商店街の南側に位置する芹橋地区には近世の街割りや狭い路地など、彦根城城下町の景観が残されている。その他にも敷地やその周辺にはかつての路地や彦根城外堀などの痕跡が残る。またこの場所は四番町スクエアと花しょうぶ通りという、彦根市内でにぎわいを見せる2つの場所の間に位置する。この場所で店舗、住居、イベントスペースなど地域活動を行う市民のための機能、観光客のための宿泊施設を含む複合施設を計画する。現在商店街に建つ1961 年から1973 年にかけて建てられたビルは老朽化など多くの問題を孕んでおり、計画は既存ビルを取り壊し行う。周辺に残る近世の街割りを用いて敷地を分割し、路地やオープンスペースにより周辺環境と敷地を接続する。全体に切り妻屋根の低層の建物を配置し、敷地南側を緑化駐車場とすることで現在3 階建てのビルで挟まれ、暗く圧迫感のある通りに光と開放感を与える。細長い建物は一定の間口と様々な奥行きを持ち、あらゆるプログラムを許容する。
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