ものづくりは、何をつくりたいかという考えを基にして素材・色・形へと移行していきます。しかし、「素材そのものをつくる」ことをデザインプロセスの始めに据えると、今までにない特徴は自然に生まれ、ものづくりの可能性もまた、それに伴い広がるのではないかと考えました。
幼い頃につくった新聞紙の剣のように単板を巻いていくと、パイプ状の木の丸棒ができたことが始まりでした。巻き数や軸に応じて強度・軽さ・形の変わるこの素材の特徴を活かした、椅子の提案です。無垢材よりも軽く、従来の単板の主な用途である成形合板よりも、薄い厚さで強度を出すことができます。
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