新しいものを発明しなくても、今あるものを別の切り口で観察すれば新しい発見に出会う。誰もが慣れ親しんでいる日用品を、普段私たちが見ている時とは違う光によって観察することで、現実を再発見することを試みました。
ヒントにしたのは演劇の舞台美術です。演劇は作り物ですが、舞台上で時間や空間を演出する効果をもっています。表現者は、表現したいものの要素を抜き出し、その要素を再現させようとします。その要素を見て、私たちは作り物の中に現実を感じることができるのです。体験した現実を別角度で再現して見せているのです。
“作品”は、その名のとおりツクリモノですが、ニセモノではありません。展示空間にどんなに現実的なものが存在していても、少し光を変えてみるだけで、現実を別の視点から再発見することに気づきました。
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