しきりは最もシンプルに空間を創るインテリアプロダクトです。日本では寝殿造りの頃から広い一間を、衝立や御簾などのしきりで空間を構成していました。これらのしきりは可動式であったり透けて見えたりと「認識的に仕切る」という日本独特の感性を宿しています。私はこの感性を受け継ぎながら現代に新しいしきりとして昇華するために、視覚から空間を作るという点に注目しました。外枠や建築に捕らわれず、霧や雲のように曖昧なかたちの境界線とランダムな濃淡をつくることで、より感覚的なものにしました。Blurとは「ぼかす」という意味です。向こう側を隠しているようで隠さない、「ぼかす」ことでシーンを彩ります。
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