私は、人のあり方や自分がいるという感覚がずっと気になっていました。この場所にいる自分を、私は自分でみることができません。誰もいなくてずっと1人きりだったら、自分がいるかどうかもわからなくなります。自分と他者、自分だけではなく他の人がいることで、自分がいるという感覚が生まれます。他者をみることで、はね返って自分もみています。その一番ちいさな形として、ひとつの家の中での2人の関係を描いた絵本をつくりました。
この家は細長い対称形で、東側半分が<ひとり>、西側半分が<もうひとり>の場所です。住んでいる2人は、恋人でも夫婦でも友達でも構いません。本当はいない(死んでしまったり、もともと存在しないものだったりして)ひとを想定したり、もうひとりの自分を仮想しているような状態でもいいと考えています。
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