空間をつくるということ。それは、時間をつくり出すことだと私は思う。
死者と生者が最後の時を過ごす火葬場の提案。
死は両極の二面性を持つ。-『悲嘆・恐怖』+『神秘性・精神性』
現代において死にはマイナスの『悲嘆・恐怖』といったイメージが定着している。それによって身近な人の死に直面したその時、無意識のうちに死に対して目を背けてしまっているのではないだろうか。そこで私なりの火葬空間をデザインすることで、死と向き合うきっかけづくりをしたいと考えた。主空間であるアプローチ / エントランス / 礼拝堂 / 火葬場に『光』『音』『マテリアル』として抽出した死の二面性を表現し、感性・行動を促すオブジェクトとしてそれぞれの空間に落とし込んだ。アプローチから火葬場へと歩みを進めていくに連れて『神秘性・精神性』の強い空間へと変化していく。そして、会葬者の心は死者へゆっくりと歩み寄っていく。
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