東京工芸大学
東京工芸大学 芸術学部卒業・大学院修了制作展2017
醒めたツラしやがって
- 星 智教
- 芸術学部 映像学科
私達は様々な希望と夢を持って「作る」事を学べる芸術系の学校を選び進んできた。「小さい頃から好きで得意だった」、「クラスで一番だった」から、「自分は将来、クリエイターとして大成する事が出来るのではないか」という本当は根拠の無い自信によるモチベーションを持っていただろう。しかし、学生生活が進むに連れて、作りたい物を作る「趣味」という感覚でやっていけるような事ではなく、仕事として客を相手にお金を貰って生活していくための「作る」をコンスタントにし続けていかなければならないという輝きを前に霞んでいた当たり前の現実に気付き、そのハードルの高さと制約の多さに戸惑い辟易してしまう。それでも、趣味と仕事のギャップに悩みながら上手く受け入れ、覚悟を決め、芸術系の学校を卒業して「作る」事を生業にする事になる。このようにして、「作る」事を趣味から仕事へ変える大変さから忘れかけてしまっていた瑞々しい「好き」という原点の気持ちをテーマとする事が、学生からプロになる局面である「卒業」研究として相応しいと考え、そのような作品を制作した。