岡山県立大学
TOIN
石川 智大 / デザイン学部デザイン工学科プロダクトデザイン専攻
このホイールデザインは、今後益々発展していくであろう次世代電気自動車の、未来を予測した上で成り立つ構造、デザインである。
現在、インホイールモーター搭載者はコンセプトカーとして少しずつ姿を見せているが、従来の車とは異なったモーターシステム、ステアリングシステムを持っている。車内の構造だけでなく、車体のスタイリングも大きく異なるものが多く、今後もより近未来的なスタイリングへと近づいていくと考えられる。その中で、ホイールデザインはどうあるべきなのかを考えた結果がこのデザインである。インホイールモーターは文字通り各ホイールの中にモーターが直結したものであり、従来床フレーム上にあるものが低位置に配置されることで、異物や雨水の侵入の影響をダイレクトに受けてしまう。又、ブレーキと隣接することにより摩擦熱も直に受けてしまう。
本研究では以上の2点を課題とし、モーターを守りながら冷やす構造・デザインを考えた。従来のスポークタイプのホイールとは違い、平面的で閉じたデザインにすることで内部を守り、ホイール内部にはシロッコファンの構造を取り入れ羽を付けたことで、表面中央部から空気を吸い込みモーターを冷却することができる。又、表面は、空力を意識したような動きのある三次曲面は敢えて使わず、幾何学模様のようなデザインにすることで、従来には無い『近未来的』なオーラを生み出すことを目指した。